Product Story -Belt Bag-

オンオフのスタイルに変化をもたらしている小型ガジェットの普及。
機能的で審美的にも優れた、今、objcts.ioがつくりたい「Belt Bag」とは。デザイナー・角森がデザインコンセプトについて語ります。

上質なスタイルを備えた
時代に合うプロダクトを求めて

スマートフォンやiPad OSが登場して以降、PCだけでなく小型ガジェットを持ち歩くシーンが増えています。ワークスタイルが多様化する現代において、オンオフの境界のないプロダクトを創造すること。それは、objcts.ioにとって必然です。

 

カジュアルなBelt Bagではフィットしない上質なスタイルを好む人へ。デバイスをベースにした基本設計と、ファッションアイテムとしての魅力。objcts.ioの「Belt Bag」はこの両軸をコンセプトにデザインされました。

具体的な顧客をイメージし
ライフスタイルに合わせてデザイン

自分たちは基より親交のあるクリエイターやイノベーターのワークスタイルを想像した時、デバイスをスタイリッシュに持つコンパクトなバッグの必要性を感じていました。すでに市場にあるものはカジュアルな印象のものが多い。

そこで、objcts.ioのメインプロダクト「Moore Soft Backpack」のデザインコンセプトを軸に、より具体的な人物をイメージしてデザインしました。

 

ひとりは「Mavic Air Bag」の企画に参加していただいた市川渚さん。もうひとりは、noteでディレクターをされている平野太一さんです。

平野さんはミニマルで上品なスタイルの方。一方で、渚さんはモード系の印象があって、独自のファッションスタイルがある方です。このお二人ならコンパクトなバッグが似合うなと思ったんです。

革、芯材、つくり
「いい顔」の為のバランスと調和

製作過程の話をすると、Firstサンプルからデザインの方向性やバッグの「顔」は決まっていたので、とにかく細部のブラッシュアップのためにサンプルを重ねました。革と芯材への研究心がobjcts.ioのこだわりなんです。

メインのデバイスを入れる胴面の5㎜厚のスポンジは、保護性を高めると同時に美しいフォルムを維持する役割を担っています。

 

また、安定した品質を保つためには生産性も無視はできない。バッグの顔にどれだけ高級感を出せるか。生産性を理解した上で、サイズや芯材の組み合わせを変えながら「いい顔」を探り続けました。

パーツの素材にもこだわった
細部まで丁寧に考えるものづくり

バックルは、AUSTRIALPIN社の「COBRAバックル」です。登山系のアイテムにも使われているもので、機能性とデザイン性を兼ね備えた金具です。

また、ショルダーベルトには、肉厚で耐久性のあるポリエステル製のテープを選択しました。糸の嵩が増してもっちりと肉厚になる「ウーリー加工」を施しているので丈夫で手触りがいい。毛羽立ちのような経年劣化も少なく、本革に調和する高級感があるんです。

 

バッグを前にしても後ろにしても、ショルダーを見ただけでobjcts.ioのセンスを感じられるこだわりのある素材を選んでいます。

また、前胴のポケットのファスナーは、右利きでも左利きでも使いやすいダブルスライダー式です。止水ファスナーなので少し硬い感じがありますが水に強い安心の仕様になっています。

さらに縫製では、小さなパーツを金具留めから縫製に変更したり、ショルダーテープの付け根に芯材を入れて凹凸をつけたりと、最後までディティールを追求しました。

 

パーツの陰影は高級感につながります。この細部へのこだわりがバッグの印象を左右する大切なデザイン要素だと思っています。

for Laptop / for iPad
2つのサイズで展開した理由

多様化するワークスタイルに合わせてサイズは2タイプに。LaptopサイズとiPadサイズで企画しました。

 

objcts.ioらしいスマートな設計にこだわりながらも、前胴のマチ付きのポケットには、ケーブル、モバイルチャージャー、Kindleやスマートフォンなど収納が充実しています。

 

また、for Laptopの重さは、iPad Pro(11inch)+ iPhoneXS相当。

for iPadの重さは、iPad Pro(11inch)+ Apple Watch相当と、どちらも本革とは思えないほど軽量です。

デザインの意図と、スタイリング

Belt Bagのルーツはウエストポーチです。このタイプのシルエットは、体の前で持つことを想定しているので、objcts.ioの「Belt Bag」も前持ちのスタイルがかっこよく見えるようにデザインしています。後ろで持つとショルダーバッグになってしまいますからね。例えば、アウターを着る時にもバッグの上から羽織るようなスタイルで、あくまで体の前で持ってもらいたいですね。

ユーザーイメージとして渚さんをモデルにしたこともあって、女性でも違和感のないサイズだと思います。for Laptopはやや大きく感じるかもしれませんが、ホワイトベージュなどの色展開を通して、女性のお客さまにも使っていただきたいです。


※model : 162cm

実は、当初の予測ではLaptopサイズは苦戦するだろうと考えていたのですが、発売から今現在の状況を見るとLaptopサイズの方が売れているんです。これには少し驚きましたが、やはり自由なワークスタイルを選択する方が増えているということなんでしょうね。

 

※model : 170cm

保管の方法とメンテナンスについて

Mooreシリーズに共通の防水レザー仕様なので、基本的には特別な手入れは必要ありません。雨などの水分に強く汚れも取れやすいので、ひどく濡れたり汚れがついたりした場合には、軽く拭き取る程度で問題ありません。

 

前胴のマチ付きポケットの立体感がこのバッグの「顔」になるので、コート掛けやクローゼットの中に掛けての保管が理想的です。

デバイスを入れると重みが増すので、なるべく前胴をつぶさないように置くと良いと思います。また、椅子に座る時には、身体と背もたれで強く挟んでしまうと変形の原因になりやすい。

 

経年変化が少なく長くスマートに持てる本革素材とデザインですので、芯材をつぶさない程度に少しだけ気を使ってもらえたら嬉しいです。

時代の変化を常に見据え
ものづくりにも日々アップデートを

「Moore Soft Backpack」「Smart Tote」についでリリースした「Belt Bag」。今後、ワークシーンがさらに自由に多様化して行けば、もっとも活躍する出番の多いバッグになる可能性も秘めています。カラー展開やサイズ展開、仕様のアップデートをしながら、ファッションアイテムとしての魅力も追求を続けていきたいと思います。