デザインの意図- iPhoneケース inspired by 土屋鞄-

デザインの意図
-iPhoneケース
inspired by 土屋鞄-

14年前、ランドセル職人だった私が、土屋鞄の素材を使って製品をデザインすることになるとは想像もしなかった。

しかも、土屋鞄で20年近く愛され続けるレザー、”トーンオイルヌメ”を使うことに。

今回は、土屋鞄の魅力を取り込んだ”iPhoneケース”について書いていく。

アジャスタブルレザーストラップ付iPhoneケース
-トーンオイルヌメモデル inspired by 土屋鞄- とは

本製品は、長さ調節ができるショルダーストラップ付き収納部と、iPhone本体のカバーケースを、マグネットの力で接続したまま持ち歩けるようデザインされたiPhoneケースで、objcts.ioの製品をベースに製作されたものだ。

なぜ土屋鞄のレザーを取り入れたのか

10年以上前に遡る。

土屋鞄の革職人として、約8年間ものづくりに従事していた私は、2011年から2015年くらいまでFacebookを使った「ものづくり企画」に取り組んでいた。

当時のFacebookは注目度が高く、特に人気だった「ものづくり企画」は、1投稿に対して10,000いいね!、コメント100件付くことも珍しくなかった。

この企画は、作り手である私に対して顧客の声がダイレクトに届く形になっており、そのような機会が少なかった私にとっては衝撃的で、とても嬉しかったと記憶している。

その「ものづくり企画」の中で、今回のiPhoneケースで取り入れた”トーンオイルヌメ”を使って、上の画像のような印鑑ケースを製作したことがある。

このケースは「ものづくり企画」を発案し、のちにobjcts.ioを共に立ち上げる事となる沼田の要望を形にしたものだった。

私たちのブランドの出発点は、ここにある(ちなみに、沼田はいまもこのケースを愛用している)。

そして何の巡り合わせか、objcts.ioは土屋鞄の仲間入り(ブランド初期は別会社で運営していた)をし、立ち上げのきっかけの1つとなった素材に、次はデザイナーとして触れながら新製品を生み出すことになったのだ。

トーンオイルヌメは、長年愛されてきた魅力と、素材としての実績をもつ信頼できるレザーだ。

しかも、私たちが採用したことがない絶妙なカラーで展開されていて、objcts.io製品の新たな魅力に気づくキッカケにもなるかもしれない、と期待が持てた。

その期待は間違いなかった、と思える製品になったと感じる。

ものづくりを長年続けていると、こんな不思議な出来事に巡り合うのかと今でも嬉しく思う。

機能の特徴

このiPhoneケースの特徴は、以下の3つ。

1. 長さ調節可能なショルダーストラップ付き収納部(以下、アクセサリー)と、iPhone本体のカバーケース(以下、本体ケース)が、独立して使用できる

2. 無線充電に対応

3. 新型のiPhoneが発売されても、アクセサリーは使い続けられる

1.アクセサリーと、
本体ケースが独立して使用できる

マグネットを活用した脱着機能があることで「移動時」「オフィス」「食事中」「自宅」など、シーンによって使い手が心地良いと感じる使い方を選べるよう設計している。

2.無線充電に対応

iPhoneを充電するのに十分な電流を担保できるよう設計。

3.新型のiPhoneが発売されても、
アクセサリーは使い続けられる

アクセサリーは、新型のiPhoneが発表されても使い続けることができる。

定期的に買い替えるデバイスとセットで使う製品だからこそ、永く使うための工夫をこらした。実際、iPhone12、13、14シリーズ全モデルに使用が可能だ。

※iPhone内部にある”MagSafe”の規格が変わってしまうと使用できなくなる可能性あり

アクセサリーの種類は全部で3モデル。

「ウォレットタイプ」
現金を持ち歩きたい人にオススメ

「マイクロバッグ」
AirPods Pro、リップ、車の鍵など
厚みがある物を持ち歩きたい人にオススメ

「カードケースタイプ」
キャッシュレス生活に慣れているまたは、
出来るだけスマートなスタイルで行動したい人にオススメ

デザインの特徴

製品の基本的なデザインについては、以前のnoteに書いたのでそちらに預け、今回の限定モデルについて簡単に説明する。

常に意識していたことは「ちょうど良いバランスを見つけること」

土屋鞄への敬意を持ちつつ、土屋鞄に寄り過ぎず、objcts.ioらしくなり過ぎない。絶妙な調和。

具体的には、製品の基本構造はすべてobjcts.ioの製品をベースにしつつ、使用素材は土屋鞄のものをメインに採用した。

だが、今回の製品においては、素材すべてをそのまま取り入れるのではなく、両ブランドが上手く調和するように、トーンオイルヌメシリーズでは普段使われない金具の色を採用することでバランスを取っている。

objcts.ioが製品開発をするときは、相反関係にある「機能性」と「審美性」を両立させて新しい価値を生み出すことを目指す。

同じような考え方で、今回は、両ブランドの魅力を調和することで、土屋鞄からもobjcts.ioからも出したことが無い雰囲気を纏った製品を目指してみた。

「トーンオイルヌメ -ブラウン-」
しなやかで独特な質感と、革の表情を持ち、
永く使うほどに愛着の湧く
経年変化が楽しめる土屋鞄の大人気レザー

「ピッグスエード」
起毛した豚革を内装に配置することで
高級トランクのような上質さを醸し出した

本体ケースの金具は、
私たちにとって初めてのゴールドを採用。
土屋鞄のトーンオイルヌメシリーズとも
異なる色味にすることで
objcts.ioらしさを混ぜ込んだ


記事内で出てきた製品

アジャスタブルレザーストラップ
+
iPhoneケースセット
トーンオイルヌメ


スマホショルダー