デザインの意図 -Weekend Camera Bag-

9月頃にカメラが収納できる機能を持ったバッグについて以下のようなツイートをしたところ、予想以上に多くのコメントやDMをいただきました。

そこで急遽翌日にウェイトリストを公開して販売に向けた準備を進めてきましたが、ついに今週金曜(11月13日)に予約発売を開始することとなりました。今回はその”Weekend Camera Bag(ウィークエンドカメラバッグ)”の開発背景と特徴について書いていきます。

Weekend Camera Bagとは

左:Largeサイズ / 右:Mediumサイズ

Mediumサイズ:Off-White

Largeサイズ:Black

なぜ審美性の高いカメラバッグを
作ろうと思ったのか

きっかけは、クリエイティブ・コンサルタントとして活躍されている市川渚さんと共に開発したドローン専用バッグに、市川さんがカメラを収納して持ち歩いていると知ったことでした。

最低限の機材を持ち歩くカメラバッグとしてもちょうど良いという感想をいただいたのですが、他にも同様の使い方をされているお客様がいて、デザイン性の高いカメラバッグが求められていることを実感しました。

 

カメラバッグをWEBで探すと無数の製品が出てきますが、その多くはカメラを持ち歩くことに特化した機能性重視のものです。

 

仕事の都合上、大量の機材を持ち歩かなければならないプロカメラマンの方々は高機能なカメラバッグを選ばざるを得ないですが、例えば休日に最低限の機材を気軽に持ち出したい人にとっては、機能と同じくらいデザインを大切にしたカメラバッグが必要なのではないでしょうか。

 

Weekend Camera Bagは、そういった方々の思いに応える”美しいカメラバッグ”を目指して製作されました。こんなカメラバッグを待っていたと思える方が1人でもいらっしゃいましたら、大変嬉しいです。

機能の特徴

休日仕様のカメラバッグに必要な機能については、日常的にカメラを使用している方々に話を聞きながら決めていきました。

 

まずは、カメラバッグにおいて特に求められる以下3つの機能について説明します。

 

・保護性
・軽さ
・収納性

 

まずは保護性について。


Weekend Camera Bagは、緩衝材となる厚み5mmのスポンジが収納物を包み込むようにバッグ全体に仕込まれています。

もちろん緩衝材を入れているだけではなく、高い防水性を持つ革とアウトドアブランドでもよく目にする止水ファスナーを使用することで、急な雨に降られても安心して使うことができます。

 

※どんなに厳しい環境下でも完璧に水の浸入を防ぐプロ仕様ではございませんのでご注意ください。

次に軽さ。


ラージサイズ約700g、ミディアムサイズ約490gとなっており、同様の機能を持った生地製カメラバッグと比較しても遜色なく、気軽に持ち歩ける重量になっています。

 

軽さを出すために革の厚みを調整したり軽量な生地を採用したりしているのですが、それによって製品の強度を落とすことがないよう細心の注意を払いました。

 

ここでも、革製品を作る職人としての経験を活かすことができました。

最後に収納性。


ラージサイズは、レンズを取り付けた状態の一眼レフカメラと予備レンズ1本の収納を、ミディアムサイズはSIGMA fpVLOGCAM ZV-1など小型カメラの収納を想定して設計しています。

 

カメラを入れたまま財布やコスメを収納できるポケットが設けてあったり、バッグ背面部分にはスマホをスムーズに出し入れできるポケットが配置されているなど、使い手が心地良く使えるよう工夫しました。

Largeサイズ:内装

Mediumサイズ:内装

Mediumサイズ:背面ポケット

デザインの特徴

デザインについて最もこだわったのは「製品のフォルム」で、「男女問わず持ちやすいコンパクトさを感じられる」ことを意識しました。

 

元となったドローン専用バッグは、市川さんの骨格やファッションスタイルをイメージしながらデザインを考えていったのですが、いかにも機材が入っていそうな大ぶりで無骨なフォルムが市川さんに合うイメージが湧きませんでした。

 

そのため、収納力はあるけど見た目はコンパクトという矛盾を成立させるためのアイディアを出していた時に、ふとある考えが頭をよぎります。

 

たとえバッグ本体に厚みがあったとしても、正面から見たときの面積が狭ければ小さくまとまって軽快な印象を感じられるのではないかと思い、サイコロを想起するコロンとした可愛い印象を感じるフォルムに仕上げました。

フォルムにおいて重要なデザイン要素がもう1つあります。それは、ショルダーテープ根元部分の革パーツの形状です。

 

付け根からショルダーストラップに向かって細くなっているのですが、このような形にすることでバッグ本体の箱っぽい硬さを緩和し、より身体に馴染むような見た目になります。

 

試しにこのパーツをただのストレートなベルトに変更すると、以下のようになります。上のデザインだとバッグ本体が浮いて見えますね。

ちょっとしたことではありますが、バッグが使用者の身体に馴染み、見た目の印象が変わるデザインポイントとなっています。

機能性と審美性を両立させることで
新しい価値を見出す

カメラバッグを開発するとなると、どうしても機能を詰め込んだ安心設計で製作したくなってしまうものなので、審美性の高いカメラバッグを作るというのは私にとって挑戦的な取り組みでした。

 

製品に搭載すべき機能を選定するのに大変苦労しましたが、このWeekend Camera Bagが私たちなりのカメラバッグの1つの答えになっているのではないかと感じています。

 

これで終わるつもりはありません。
カメラバッグという製品は大変奥深く、想定する使用者や機材によって求められるデザインが異なるため、全く別のアプローチで製作する機会が近い将来あると思っています。

 

その時には、今回とは違った答えを周りの方や顧客を巻き込みながら探していきます。

Weekend Camera Bagの商品ページはこちらをご覧ください。

カメラのボディサイズやレンズによっては使い心地が異なるため、興味がある方はぜひ店舗で実物をご覧くださいませ。


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