萬波ユカが語る アイテムを「愛でる」楽しみ / User Interview vol.5

User Interview Vol.5
萬波ユカが語る
アイテムを「愛でる」楽しみ

objcts.ioユーザーの方にインタビューする企画。第五弾は、NYと東京を拠点に、グローバルな舞台で活躍されているモデル・萬波ユカさんをお招きしました。

 

ご自身でもヴィンテージショップ『MAN vintage』をオープンされ、ファッションアイテムをケアしながら長く使うことが好きだという萬波さん。まるで我が子のようにプロダクトを愛でる彼女が、objcts.io製品やヴィンテージアイテムに思う事などを伺いました。

バックパックを使って気づいた
objcts.ioの魅力

---objcts.ioを知っていただいたキッカケを教えてください。

 

友人が『ソフトバックパック クラシックモデル』のWhite Beigeを使っていて、「それかわいいね、どこの?」って聞いたのが最初でした。それで、2年前くらいにこの白金のショールームに遊びにきて。その時からかなり商品数が増えましたよね?当時なかった『ウォレットバッグ』も実物を見るとかわいいなぁ。「ちょっと近所まで」っていう時にすごく便利そう。『ウォッシャブルレザートート』も、*モデルブック入れるのにピッタリなサイズ。

 

*モデルの方々がオーディションの時などに使うポートフォリオ

 

---お使いいただいているのは『ソフトバックパック クラシックモデル』の限定色TeaBrownですね。使い心地はいかがですか?

 

だいぶ革が柔らかくなって、クタっとした良い表情が出てきました!

お陰様ですごく可愛がってます。よく人からも褒められますし、あまり見ない形だし。私の周りではけっこう女性も男性もいいリュックないかなって探してる人が多いですね。

当時”限定色”というワードに惹かれてTea Brownを選んだのですが、やっぱりWhite Beigeの色もかわいいなぁ。

 

今回インタビューのお話をいただいて、実際にユーザーとして使っているので嬉しかったです。私は普段荷物が少ないほうなので高頻度で持ち歩いている訳ではないのですが、お仕事で1週間くらい出張がある時なんかは、このバックパック1つ持って移動しています。冬は難しいけど、夏は充分なくらい容量があるのも魅力ですね。

私が使っているのはミディアムですが、スモールも良いサイズ感ですね。もっともっと小さいサイズがあってもかわいいのかも。

---他にも「こんな製品が出たらいいな」というものはありますか?

 

AirPodsケースの販売をとても心待ちにしています!荷物が少ない分、持ち歩くカバンもかなり小さいので、AirPodsを入れると他のものが収納できないんです。だから、AirPodsをバッグに外付けしたくて。

色々探しているんですが、デバイス収納となったらやっぱりobjcts.ioさんのものを使いたいので、ずっと待っています。笑

 

デザイナー・角森さんのTwitterでもブランドの動向をよく拝見するんですが、透明なレザーを見た時はびっくりしました。「なんでレザーが透けてるの?!」という衝撃がすごくて。あのレザーで作ったトートが出たら、すごく欲しいです。新しい素材に対して色々とチャレンジされているのも素敵だなと思っています。

*objcts.ioデザイナー・角森のTwitterより引用

---その他、objcts.ioについて気になったトピックはありましたか?

 

「遠出ができなくなった世の中で、近所に出かける時くらいは気分が上がるものを使ってほしい」という『ウォレットバッグ』開発背景のお話を聞いて、すごく共感しました。

あと、バルーンバッグの解説記事も!私があれと全く同じアイテムを持っているので、特におもしろかったです。普段使っていて気づかなかったことばかりで、かなり興味深かったです。

 

商品開発のインスピレーションが具体的な人物像にある、というのも面白いですね。でも、このバックパックを使っていると納得です。ふとした時に思う使いやすさがあって、そういうユーザーの声が生きてるなって実感しています。トランジットで急いでいる時も、空港で走りながら背負った時の安定感は抜群でした。笑

 

空港の話でいうと、飛行機に乗る時にはリラックスできる格好をすることが多いのですが、このバックパックはジャージにキャップみたいなカジュアルなスタイルにも合いますよね。今日は私服なのですが、こんなスタイルにもマッチするし、どんな洋服でも合わせられるのが素晴らしいなっていつも思ってます。色も形も。ポイントにもなるし、邪魔もしすぎないですね。

 

---普段の荷物量が少ないとのことですが、どんなものを持ち歩いていますか?

 

NYだと、もうiPhoneケースだけで外出することがほとんどですね。クレジットカードしか使わないので、あとはiPhoneだけあればいいなと思って。日本だとそこにNintendo Switchが加わる感じです。

 

世界中でキャッシュレスがすごく進んでいるせいか、どこのバッグもどんどん小さくミニマムになっていますよね。私も、お財布はカードケースのような形のものに最低限の紙幣などを入れて、いかに小さく収められるか試行錯誤しています。

でもそのお財布を忘れても支障がないし、ポーチ付きのiPhoneケースで充分。それでいうと、『ショルダーストラップ付きiPhoneケース』も便利そうですよね。これひとつで完結できる身軽さは理想的です。『ウォレットバッグ』も、ワンマイルバッグとして同じ使い方ができそうですね。

”10年後も持っているかどうか”
長く愛せるアイテムの選び方

---ものを買う時に基準にしているこだわりのポイントはありますか?

 

うーん、改めて考えてみると、「長く使えそうか」というのはすごく重視していますね。なので、造りがしっかりしているかどうかは、よく見ているかもしれないです。元々流行を追わないタイプなので、タイムレスに使えるデザイン・造りである事が理想です。まずはひと目見てピンと来るかどうか、そしてその後は無意識にそういったポイントを気にしている気がします。

 

「10年後も自分が持っていそうだな」と思ったら選ぶ。お手入れしながら大事に使いたいと思うことが多いですね。

 

実際に持っているものや着ているものも結構10年選手が多くて。ずっと着るものってやっぱり初めにピンと来たものが多いし、仮にもし惜しい所があったとしても「この部分がすごく気に入ったから、多少ほかの部分で気になる所があっても愛せる」みたいなものが多くて。だから、他をちょっとずつ自分で補ったり繕ったりしながら使っているものが多いですね。金具がピカピカしすぎているのが気になったら、自分でやすりで削ったり。そういった作業も楽しんでいます。

---ご自身でヴィンテージショップ『MAN vintage』もオープンされましたが、ケアをしながら使えるものには昔から惹かれていたんですか?

 

そうですね、昔から古着が好きだったんですが、それこそ10年くらい着ているものばかりで。「10年好きなものは一生好きだろうな」と確信して、当時から買い集めていた古着やヴィンテージもののお店を始めました。

 

あまりものに対して「経年劣化」と思う事はなくて、「経年変化」と捉えています。あまりにボロボロな物は手放しますが、大体は「味が出てきたな」と思う。自然に時の流れを経た中で出てきた表情を楽しんでいます。シルバーアクセサリーとかも、酸化して色が変わるのも楽しいなと思ってしまうくらい。

 

たまに「すごくいい味が出てるね、どうやってエイジングしたの?」なんて聞かれたりするんですが、意識してエイジングしようと思っているわけでもなくて。ただいつも通り身につけているだけなんですよね。そういった、時と共に蓄積されていく表情やストーリーがすごく好きなんです。

 

---いちばん最初に惹かれたヴィンテージアイテムのことは覚えていらっしゃいますか?

 

もちろんです、今でも日々愛でているくらい!大学のとき、通学路の近くで蚤の市が開催されていたんです。なんとなく横目にしながら通っていたら、その時にすっごく可愛い70年代くらいのワンピースがパッと目に入って。一目でわかるくらい状態もよくて、しかも1,000円くらい。あまり細かく見ずに買ったら、GIVENCHYのものだったんです。すごい掘り出し物だったわけなんですが、出品者の方も何気なく売られていて。

 

買ってから何年もずっと着てたんですが、色々な方からすごくよく褒められたんです。そこで、「ヴィンテージってずっと愛されて残ってきているものだけあって、いろんな人のアンテナにキャッチされるだけの魅力があるんだな」という事に気がついたのが始まりでした。

 

膝下丈くらいでプリーツが入っている、ボウタイ付きのシルク製ワンピース。ヴィンテージならではのいいベージュの色味なんですけど、汚れが目立ちそうなのに奇跡的にダメージもなく、すごく綺麗な状態だったんです。だから、「前の持ち主さんにすごく大事にされていたんだ」って事がすごく伝わってきました。それがヴィンテージの魅力に気がついた、最初の1着でした。あとにも先にも、それ以上に惹かれるものが思いつかないくらい。

 

最近はあまり着ていないんですが、クローゼットの中にはずーっと大事にしまってあります。私、お気に入りのワンピースを部屋に飾る事が多いんですけど、そのよく飾るワンピースの1枚の中にしっかり入っていますね。

 

---気に入ったものは、洋服でもインテリアとして飾るという楽しみ方をされているんですね。

 

うんうん、よく飾ってます。洋服に限らず「これって何に使うものなんだろう?なんでこんな形なの?」みたいな、それこそヴィンテージのオブジェも手元にあって。でも使用用途もよくわからないのにずっと残っているのがすごいなって思うんです。「捨て置けないなと思って、連れて帰って、お世話してあげて、餌は食べないからたまに磨いて愛でる」というような営みがすごく楽しいです。

お客様に服を"譲る"お店
『MAN vintage』

---最近はコロナ禍のせいで暮らしの変化が色々あったと思いますが、そんな中で関心のあるトピックはありますか?

 

最近は、いわゆる「街興し」に興味がありますね。私の地元、三重県の南牟婁郡(みなみむろぐん)は、アクセスは悪いんですが、自然が豊かで、パワースポットのような厳かな雰囲気もある、すごく素敵なところなんです。来てくれた友人が揃って「心が洗われた」という感想を寄せてくれるような。もう使われていない古民家なんかも沢山あるので活用の仕方も考えてみたいし、将来的には素敵なお宿でも建てられたらな、なんて考えています。

 

あとは、やはりこれからのコロナ禍の行く末は大きな関心事というか、懸念ですね。やりたい仕事や場所にすぐアクセスできるチャレンジングな環境で活動したいので、普段はNYも拠点にしているのですが、先日も隔離期間の長さがネックになって諦めたお仕事もあったりして。早く気軽に海外に行き来できるようになってほしいです。

 

新しいチャレンジでいうと、ついにカメラを買いました!Leicaのものなんですが、すごく可愛くて気に入ってます。30歳になったので、節目として思い切って購入しました。それこそ海外も国内も、ステイホーム期間中にモデルが自分で撮影した素材を使うお仕事が増えたんですよ。それで、そろそろちゃんとしたカメラを買おうと思っていたんです。

 

モデルのお仕事は、ファッションアイテムなどをもっと魅力的に引き立たせるという意味で「1を10にしていくもの」だと思うんですが、「0から1を生み出す」プロセスも挑戦したいと思って。そのキッカケとして最近写真を撮ってみたり、陶芸をやってみたり、少しずつ色々試しています。次は金継ぎもやってみたいです!

 

---視点が変わることで気が付くことは沢山ありますよね。

 

本当にそうですよね。だから、こういったバッグの製品開発というお仕事も、心から尊敬しています。自分でお店を始めてみて勉強になったことも沢山ありますね。「1人のひとを思い浮かべてデザインする」という角森さんのアプローチにも、すごく共感しました。というのも、私も古着の買い付けをするときに身の周りの友人たちを思い浮かべる事が多いんです。自分のテイストではないけどなんだかとても惹かれるなと思ったアイテムは、「私が着るイメージはできないけど、あの子ならこうやって着てそう」みたいなものばかり集まっています。

 

実際に最近すごく嬉しかったことがあって。10年前に初めて買い付けしたとき、昔馴染みの友人を思い浮かべてセレクトしたワンピースがあるんですよ。その子が他県からわざわざお店に遊びに来てくれた時、まさにそれを選んで買ってくれたんです。あの時の嬉しさは相当なものでしたね。笑

 

知り合いじゃなくても、「すごく似合ってるしイメージ通り!」と思ったお客様が買ってくださると、「きっと一生大事にしてもらえるだろうな」というイメージができて、すごく幸せな気持ちになります。なので、具体的にイメージができるってすごく大事ですよね。持っててほしいって思う人が持ってくれているとすごく嬉しい。お客さんを選ぶという訳では勿論ないですが、でもやっぱりバッチリはまった時の快感は忘れられないです。

---自分で買い付けたものとなると、嬉しさもそれだけ増しそうですね。

 

そうなんです。『MAN vintage』は、今は私と店長の2人でオープンできる時に少しずつ営業しているんですが、流行り廃りがあるものではないし、まさに「売る」というより「譲る」と言う気持ちのほうが強いですね。売りたくないくらいの物もあるし。

でも、ありがたいことに、10年間収集してきたアイテムも、最近はけっこう無くなってきちゃいました。私としては里子に出すような感覚なので、お客様から「大事に着てます」ってコメントをいただくとすごく嬉しいんですよ。

 

年代物のバッグで内側が合皮のものなんかは、劣化してボロボロになっているものもあるんですが、最近は私が自分で剥がして貼り直す作業をやっています。おもしろいですよ、なかなか。どうにかしてダメージを味に変えられないかなと奮闘しています。そんなお話をしたら共感してくださるお客様が多いし、そういう関係性もいいなって思うんです。

 

---我々も、ものに対してそれだけ愛情深く捉えている萬波さんにバックパックを使っていただけて、本当に光栄です。

 

ありがとうございます。お仕事をする時って、挑戦とクオリティ、そして、自分とお仕事の間に通じるものやストーリーを感じさせる説得力が大事だなと、個人的に強く思うんです。どれだけ素敵なお仕事でも、そこに自分が介在する意味をきちんと見つめたいし、いつも考えるようにしていて。自らとひたすら向き合って掘り下げる自己分析の作業はよくしています。説得力を持つには、それを自分で作っていくしかないので。

 

だから、今回は実際に愛用しているプロダクトにまつわるお仕事だったので、すごく嬉しかったし、楽しみにしていました。この子の経年変化をお見せするぞ!という意気込みで。加えて、ヴィンテージに対する思いなんかも交えてお話できて、改めて長く愛を注ぎながら使えるものっていいなと感じました。

 

このバックパックにまつわるエピソードも既にいくつかありますし、これからも色んな場所に連れて行きたいですね。どんどん自分なりのストーリーを紡いでいきたいです。

「いつかこの子も、”自分ヴィンテージ”になるのかな」なんて考えると、今からわくわくします。


萬波ユカ / Yuka Mannami
モデル(DONNA MODELS)

 

看護師からモデルに転身し、'15年7月にデビュー。2ヶ月後にパリコレデビューを果たしたのち、NYと東京を拠点にグローバルな舞台で活躍中。ヴィンテージ愛好家としても知られ、ヴィンテージミックスした私服スタイルも評判。

 

Instagram :

https://www.instagram.com/yuka/

 

MAN vintage Instagram :

https://www.instagram.com/themanvintage/


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