NEW PROJECT 【Remote Work Products】
それは、“世界規模”で起きたあまりにも突然の出来事。わずか数ヶ月の間に、私たちの日常、とりわけワークスタイルには大きな変化が求められている。
「新たな生活様式」という局面に、objcts.ioが創造するものとは。objcts.io代表の沼田とデザイナーの角森が、New Project【Remote Work Products】の立ち上げについてお話します。
OfficeからHomeへ、
今求められるプロダクト
代表沼田(以下沼田):
objcts.ioが新型コロナウイルスに関する事態を注視し始めたのは2月初旬です。我々自身、すぐにリモートワークに切り替え、それまで決定していたプロダクトの開発計画を白紙に。これから先に起きる様々な変化について話し合いを始めました。
デザイナー角森(以下角森):
そうですね。昨年、白金でPop-up Storeを開催しましたが、この春から正式にアトリエ併設のPop-up Storeとして再オープンすることが決まっていて。アトリエでの作業はその新たなスペースが機能したことが幸いしました。
沼田:
急な事態だったけれど、リモートにて連携を取りながら比較的スムーズに対応することができたなと思います。大変だったのは開発計画の見直し。その時点でより深刻な状況に陥っていた欧米の販売動向からも、見直しが迫られることは明らかでしたから。
角森:
ステイホーム下でバッグを求める人は……残念ながら少ない。拡充していこうと考えていたバッグ類を、ステーショナリー系や小物へと優先順位が大幅に入れ替わることになりました。
すぐに実施したアンケート、
そこから見えたニーズとは
沼田:
そこで、4月上旬頃だったと思いますがニュースレターやSNSにて今欲しいもの、必要なものについてアンケートを募集し、150名弱の声をいただきました。
角森:
デスクマットやマウスパッド、スマートフォンスタンドなど、やはりリモートワークに必要なものが多かったですね。
沼田:
日本はダイニングで仕事をするという人が比較的多い気がします。だから机の上の荷物をパッと片付けたり、収納できるボックスが欲しいという声もありましたね。
角森:
僕も自宅ではダイニングで仕事をしています。そこで食事もしますからやはり全部片付けたいと思いますよね。
沼田:
アンケートでは、 「ダイニングテーブルでの仕事では、仕事感が出ない」「仕事道具がインテリアになじまない」 というような、両極からの意見がありました。
シーンと気持ちを盛り上げる、
上質なプロダクトを
角森:
アンケートを通じて、気持ちを切り替えるもの、そして盛り上げられるものが求められているなと感じましたね。
沼田:
確かに。リモートワークは、仕事とプライベートの境界が薄れて断続的につながっている状態になる。リモート会議中に家族が映ってしまうとか。そんな微笑ましい面がある一方で、メリハリのつけ方が重要になるだろうと感じています。
角森:
精神的な面ももちろんですが、アンケートにもあった空間に馴染むかどうかという部分も重要ですよね。ずっと家の中にいると、今まで以上に家で使うものへの関心が高まりますし、テンションの上がる自分の好みのものを選びたいですよね。
沼田:
ちょっとした儀式のような。その道具で空気を変えられるようなものということだよね。
角森:
objcts.ioがつくるならレザーを使う。気持ちやシーンに豊かさをプラスできる上質な素材を使うこと。そして美しいアイテムであること。それがこの【Remote Work Products】というプロジェクトのこだわりです。
要望の多いベーシックなアイテムを
ラインアップ
角森:
デスクマット・マウスパッド・コースター
まずは、デスクワークに必要なベーシックなアイテム3点を揃えました。
沼田:
アンケートでも要望の多かったアイテムです。すでにobjcts.ioの製品を愛用していただいている方のシーンを考え、バッグと同じ防水レザーの選択はマストに。あとはとにかくスピード感をもって企画しました。
沼田:
デスクマットは、様々な使用パターンを想定しています。横に長いテンキーを乗せる場合はデスクパッドとマウスパッドを一緒に。ノートPCを乗せる場合にはデスクパッドだけでという具合です。
角森:
デスクマットの凸部分にノートPCを乗せると傾斜になりタイピングが楽に。また、傾斜にできる隙間から熱を放出する効果もあると思います。
沼田:
防水レザーなので、万が一汚れや水分がついてもメンテナンスが楽だという利点もあります。シーンに馴染みにくいコースターも防水レザーということもあって同素材で揃えられました。
角森:
普段であれば優先順位の上位にはなりにくいコースターですが、スタイルのあるペンを持つ時のように、空間を知的に引き締めてくれる貴重なレザーアイテムになると思います。
シンプルでいて美しく、
細部までこだわった審美性
角森:
バッグのデザインコンセプトと同じで、必要な機能を満たした上で審美性を重視すること。objcts.ioは、美しいものであることをとても意識しています。
沼田:
自宅に置くものですから、ユーザーの感性に響くもの、受け入れてもらえるデザインを目指しました。
角森:
ただ革を切っただけのマットにはしたくなかった。バッグと同様に芯材を駆使して細部に生まれる革の陰影を意識しました。その上で、3点をセットで使用しても邪魔にならないようにロゴの位置などに配慮を重ねました。
沼田:
いい革に触れると自然と気持ちが落ち着くものです。上質でスマートな素材に触れながら、気持ちよく仕事をして欲しいですね。
objcts.ioが見据える、
この先のワークスタイル
沼田:
この新型コロナウイルスに関しては、どう落ち着いていくのか検討もつきませんが、我々のワークスタイルが変化することは間違いないだろうと思っています。
オフィスは、今までとは違う価値を持つようになるのではないでしょうか。今までのように人が集まって作業をするための場ではなく、クリエイティビティを高める場、クリエイションする場になるような気がします。
角森:
オフィスに行くこと、そこで人とコミュニケーションを取ることにテンションが上がる、そんな場と時間ということですよね。
沼田:
そうです。人と人が出会うことでアイデアが活性化するということですね。リモートワークなどでデジタルの可能性は一般的に広がりをみせましたが、繊細な社会性の再現はまではまだ難しいと思います。
角森:
オフィスが新しい価値をもって捉えられる場になるということは、そこへ持って行くバッグも変わってくるでしょうね。
変わるもの変わらないもの、
つくりたいもの
沼田:
objcts.ioはイノベーションに価値を見出す人々へ向けものづくりをしています。そこは今後も変わらない。ただ、そのイノベーターのワークスタイルが変化し、求めるものが変わるのであれば、我々もそこにフィットするものを創造しなくてはいけないと思っています。
角森:
このタイミングだからこそ、今だからこそという、新しいものをつくりたいですよね。【Remote Work Products】も、まだまだ企画していきます。
沼田:
今だからこそ欲しいバッグについて皆さんの声を集めていきたいですね。数年後、この事態が落ち着いた時には必ず反動がある。
角森:
みんな旅行に出かけますよね。だから今は旅行鞄をつくりたいなとワクワクしています。その時、必要とされる商品をしっかり見据えて計画していきたいですね。
沼田:
正直、まったく予期せぬ出来事でしたから生産計画の見直しなど難しいこともありますが…基本的に変化はチャンスだと。(笑)人の習慣や生活が変わる時には、必ず新しい価値やモノが受け入れられるはずだと思っています。
角森:
objcts.ioのイベントもオンラインで挑戦してみたいですね。バーチャルの可能性を試しながら、この変化を受け入れ、むしろ楽しんで、皆さんの気持ちが盛り上がるような製品を届けていきたいと思います。
イノベーターの感性を刺激する、美しい道具をつくること。それが我々objcts.ioのコンセプトであり使命です。今、社会が直面している変化という大きな渦の中で、新たなモノやコトを創造しようとしているイノベーターへ、我々ができること。それは、objct.ioが変わらずに、美しいプロダクトを生み出し続けることだと考えています。
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