特別座談会 vol.1 objcts.ioで楽しむ、オンオフを問わないスタイリング
特別座談会 vol.1
objcts.ioで楽しむ、
オンオフを問わないスタイリング
TOMORROWLANDプレス 川辺圭一郎
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エディター/ライター 川辺伸太朗
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objcts.ioデザイナー角森
ビジネスシーンだけでなく、オンオフ問わずお使い戴けるobjcts.ioの製品。カジュアルなスタイリングへの合わせ方もご提案しています。
そこで今回、ファッションの世界で活躍されているご兄弟、川辺圭一郎さんと伸太朗さんをお招きし、objcts.ioの製品をより楽しむ為のヒントを伺いました。
大手セレクトショップでプレスとして発信されている兄の圭一郎さん。そして、雑誌『POPEYE』など、各所でフリーのエディター / ライターとして活躍されている弟の伸太朗さん。ファッションやカルチャーに造詣が深いお二人には、objcts.io製品はどう映ったのでしょうか。
弊社デザイナー角森を交えた座談会の様子を、2回に分けてお届けします。
左から
TOMORROWLANDプレス 川辺圭一郎さん
エディター/ライター 川辺伸太朗さん
objcts.ioデザイナー角森
角森
今回、お二人にはobjcts.ioの製品を実際に使用していただきました。お話できる機会まで戴き光栄です。まずは簡単な自己紹介からお願いします!
伸太朗
弟の川辺伸太朗です。東京都出身、28歳です。新卒でTOMORROWLAND社に入社後、新宿『伊勢丹』、青山の『SUPER A MARKET』で店舗を担当し、3年程して退社しました。その後はフリーのエディター/ライターとしてマガジンハウスの『POPEYE』をメインに活動しています。洋服が好きなので、その他にもスタイリングなど、色々と携わっています。
実は、兄の圭一郎とは小学校から大学まで同じで、進路についても新卒で入社した会社まで同じなんです。
圭一郎
そうなんです。僕は弟より4つ歳上なので、在学期間は被っていないんですが。
僕、兄の圭一郎は、入社後2年ぐらいは弟と同じく店舗担当がメインで、途中でアシスタントバイヤーを経験させていただいたり。その後は、自社のInstagramアカウントの運用担当をしていました。それ以来、販売促進の領域にずっと携わっていて、3年ほどPRを担当しています。
角森
すごく仲の良いご兄弟なんですね。就職先まで同じってなかなか珍しい。アパレル・ファッション領域の方から見たobjcts.ioの製品について、ぜひ色々と聞かせてください。
カジュアルも、綺麗めファッションも。
気軽に使えるレザーの魅力
圭一郎
今回、僕たちはそれぞれ違う型の『ウォッシャブルレザートート』を使わせてもらったんですが、まず一言でいうと、すごく便利で大活躍でした!サブバッグとお聞きしていたのですが、レザー製かつこの見た目なので、僕は主にメインで使っていました。
角森
そう言っていただけて嬉しいです!もちろんメインバッグとしても使ってもらいたいなと思っているので。使っていただいている期間、雨の日も多かったと思うんですが…。
圭一郎
そうなんですよね、運悪く。でも、そんな中でも全然気にせず使えるのがすごく心地よくて。実際、雨で洋服とかは結構濡れてしまったんですけど、バッグは全然大丈夫でしたね。この製品は防水ではないと思うんですが、ウォッシャブルということで水への強さを感じました。内側も裏地がついているので安心感がありましたし。
角森
おっしゃる通り、レザー自体にダメージはないので、ある程度までは濡れても大丈夫です。ただ、この製品はあまりびしょ濡れになると荷物の中身にも影響あると思うので、その点気をつけていただければ…。
圭一郎
そうですよね、気をつけます。笑 個人的にエコバッグもよくメインで使うんですが、フォーマルな会議がある日とか、シャツを着たりレザーのシューズを履く日なんかは少し見た目のバランスに気をつけなきゃいけなくて。そういう時に持つバッグって今まで結構ごまかしていたんですが、このトートは本当にちょうど良かったです。
角森
「カジュアルなスタイルの時も、シャツやジャケットと合わせたい時も、同じように持てるものを作りたい」という思いが常にあります。例えば、ちょっとしたファッションスタイルの差で合わせにくくなるアイテムって、デザインが気に入っていたとしても、馴染まないまま使わなくなってしまう事も多いじゃないですか。それも日々の生活では一種のストレスになると思うんです。
もちろん完璧なスーツスタイルではさすがにこのバッグは難しいかもしれないですが、ある程度の幅だったら充分対応できるぐらいのバランスを目指しています。
なので、圭一郎さんには理想の使い方をして頂いてすごく嬉しいです。
圭一郎
なるほど、それはすごく共感します。ちょっとしたことかもしれないですが、不要なストレスを感じなくなるって日々の快適さにかなり大きく影響しますよね。
このバッグは、肩にかけるだけじゃなくて、こうやってクラッチバッグのようにざっくりと持ってもいい感じになるんです。良い意味で、少し雑に扱っても大丈夫なレザーだという安心感があるので、持ち方のアレンジも効きそうだなと。今日は結構カジュアルな格好で来たんですけど、スタイルによってはこんな感じでくしゃっと持っても決まるんですよね。
角森
面白いですね!普通レザー製品ってとても気を遣いますよね。
圭一郎
すごく慎重になってしまいますね。元々持っているレザーバッグも気を遣いすぎて全然使わなくなっています。笑
角森
アイテムやレザーの種類によっては、こまめなケアが必要ですしね。この『ウォッシャブルレザートート』は、扱い方を気にせず、どんどん使ってほしいです。
この製品で使用しているレザーは、シワなどは入るものの、基本的にこの綺麗な状態を維持できるものです。
ずっと革製品を作ってきている僕自身でさえ、実は革をちゃんとお手入れするのが苦手なタイプなんですよ。
もちろんレザーの経年変化や愛着をもってケアする楽しさもあると思うんですが、圭一郎さんが仰ったみたいに、普段使いしたいアイテムの場合はレザーならではの不便さを感じる方も少なくないと思って。だから素材を選択するときにも、そのハードルは可能な限り取り払えたらなと思ったんです。
身につけることで完成する
美しいドレープ
角森
弟の伸太朗さんにお使いいただいたものは、今販売している『ウォッシャブルレザートート』よりサイズが大きい別型のプロトタイプでしたね。現段階では製品化するかまだわからないアイテムですけど、同じ素材を使用したトートでした。使い心地はいかがでしたか?
伸太朗さんに使って戴いたのは、左のプロトタイプ(非売品)。
右は販売中の『ウォッシャブルレザートート』
伸太朗
すごくよかったです!僕は兄とはすこし違って、パソコンを持ち歩いたりもしますし、持ち物が結構多いんです。展示会にお邪魔する機会もあって、Tシャツやマグカップなど結構いろいろなノベルティーを頂いたり。なので、今回のバッグは何でもかんでも詰め込めて、かなりありがたかったです!
斜めがけで持つことが多かったんですが、肩掛けもできて、着脱しやすさも感じました。あとは、革が柔らかいので、斜めがけにすると身体を覆ってくれるようなフォルムになるんですよ。その形がまた綺麗で、僕はすごく好みでした。
角森
このプロトタイプは、電車の中などでIKEAの大きなバッグにサンプル製品をたくさん詰めて持ってる方がいらっしゃるのを見て、レザーでも作れたら面白いかなと思い作ったものです。いまお話を伺ったみたいに、荷物が増えるシーンでも役立てていただけそうですね。
試作段階で使用していただくと、新たな良さや課題も見つかって学びが多いです。
伸太朗
あと、レザーの質感も個人的にすごく好みでした。仕事柄、普段からかなり距離を歩くので、普段はメッシュやナイロンなど、洋服と擦れても痛みが少なさそうな素材のものを使ってるんです。なので今回もその点をけっこう気にしていたんですが、このレザーはすごく柔らかくて、テクスチャーもサラッとしているので、擦れても洋服が痛みにくそうな印象でした。
角森
僕も、特に冬場はコートの生地が傷んでしまった経験があるのでよくわかります。その点もなるべく負担がないよう、他のアイテムも含め改善している点ですね。
伸太朗
洋服好きからすると嬉しいポイントですね。
あとは、スタイリングでいうと、普段から結構スニーカーが多く、キャップも毎日被っているので、カジュアルなスタイリングに合わせやすかったです。レザーなのに素材感が柔らかい表情なので、カチッとしすぎず、違和感なく使えましたね。
角森
キャップといえば、伸太朗さんのInstagramを拝見して「手ぶらのとき帽子がバッグになる」っていうのがすごく面白い発想だなと思って。帽子バッグ、作ってみたいです。キャップとしても使えて、手持ちの際は中に何か入れられるような。
伸太朗
ありがとうございます、あの投稿ですね!面白いバッグになりそうですね。
角森
今回使っていただいたプロトタイプについても、お陰様で色々な方向性が見えてた気がします。製品化も前向きに検討したいです!
伸太朗
そう言っていただけて僕も嬉しいです!
このプロトタイプ、重さのあるものを入れても見え方が綺麗なんですよ。身につけた際のシルエットも洒落ていますし、絶妙なドレープが出ますよね。
角森
ファッションのお仕事に携わる方ならではのご意見、うれしいです。シルエットに関しては、レザー自体のクオリティにも助けられていますね。
逆に、ここが惜しいなとか、気づいた点はありましたか?
伸太朗
そうですね、普段使っているトートがマチのあるタイプなので、このバッグも少し自立したらより嬉しいかなぁとも思って。素材自体の柔らかさ的に仕方がない点もあると思うんですが、置いた時にどうしてもクタッと寝てしまうんですよね。持ち手の部分も肩掛けできる長さになれば、より使いやすくなりそうです!
あとは、サイズ感も大きめなので、バッグの内側にポケットが1個でもあるとよりいいなぁと思いましたね。内側のポケットを上部に付けちゃうとバッグ自体が寝ちゃうかなとも思うので、少し下ぐらいにつけた方がポケットの生地の重さ分で寝ちゃうこともないだろうし、良さそうかなと。
圭一郎
ああ、僕もポケットは確かに欲しいかも。エコバックとかもそうなんですけど、ポケットが1個だけでもあると結構違いますよね。どうしても必要なものが「あれ?どこ行った?」ってなって、毎回いろいろ出して探して、みたいなことがよく起こるので。笑
角森
ポケットに関してはそうですよね…とても悩んだポイントなんです。
今回の2型どちらもなんですけど、洗濯することを想定してるので、普段なら使う芯剤や接着剤とかが使えなくて。なので、利便性で言えばポケットをつけたい気持ちはあるんですが、どうしても耐久性が落ちてしまうので、ポケットが破けてしまう可能性もあって。
耐久性をちゃんと担保しながら洗濯できるよう、両立できないか相当考えたんですけど、引き続き模索中です…。
伸太朗
なるほど、そういう背景があったんですね。ポケットひとつ取っても、素材との兼ね合いで工夫しないといけない難しさを感じます。
でも今回のプロトタイプ、僕はシルエットと容量の部分が特に気に入って、たくさん使わせていただきました!
最初はショルダー部分が少し長いかなと思ってはいたんですが、意外とこんな感じで縛って使用するぐらいのほうが面白いかもしれないですよね。「お好きなとこで縛ってください」という感じで、レザーのショルダーをわざわざ縛って使うっていうのが。
角森
確かに。使ってくださる方の好みでストラップを縛ってもらうのもいいですね。ご自身のスタイルに合わせていただくという意図で。ショルダーの長さによって印象がガラッと変わりますね!
何気ない会話で見つけたアイデアと
それを実現させた新素材の存在
伸太朗
ちなみに、洗えるレザーって初めて聞く素材なんですが、どのくらいの期間使えるものなんですか?
角森
明確な耐久テストは行っていないですが、結構シンプルな作りながら、割と耐久性を担保できる構造・仕様なので、この状態で大きな変化もなく2〜3年くらいは普通に使えると思います。
僕自身が元々職人としてものづくりをしていたというのもあって、ベースに一定以上の耐久性を持たせたいと思っていて。もちろん面白さ先行で製品開発をするときもあるんですが、やはり最終的に耐久性をしっかり持たせるという点は意識していますね。
圭一郎
特に気に入ったものであれば尚更使い込みたいですし、その分の丈夫さは担保されていると嬉しいですね。
今回僕らが使用させて頂いた『ウォッシャブルレザートート』は、製品化に至るまでの経緯やきっかけってどういったものがあったんですか?
角森
このバッグを作るきっかけは、知人の女性との会話でした。そもそも僕らが製品開発するときって、身の回りの”誰か”を具体的に想像して、その人が使うシーンをイメージしつつ、実際にヒアリングもしながらプロトタイプするというプロセスを踏むんです。
今回使っていただいた『ウォッシャブルレザートートバッグ』も、その女性と話している時に「こういうサブバックが欲しい」という話になって。そのときの話をきっかけに、「シンプルな作りで、カジュアルな使い方ができるけど上質さがあるサブバッグ」を作れたら面白いな、と思ったところから始まりました。
圭一郎
なるほど、おもしろいプロセスですね。サブバッグという発想も女性ならではという感じがありますよね。街中でもよくバッグを2個持ちされている女性を見かけるなぁと思って。
角森
まさにそれが製品化のキッカケです!女性はなんでバッグを2個持ちするんだろうという話をしたら、「大きいバッグの中に荷物を全部入れると、身体の大きさとのコントラストが強くなって、ファッションのスタイルが崩れる」って聞いて。
片方に重さが偏ると身体への負担が大きくなるので、分散させているというのも理由でした。男性と比べて女性は骨格が細かったり、体力や筋力面でも違いがあるので、そういった悩み自体も話している中で再確認したんです。
伸太朗
そういった経緯があるんですね。製品を作る際は毎回アイデアを寝かせるんですか?それともすぐに取り掛かる場合もあるんですか?
角森
もちろんすぐに取り掛かることもありますが、寝かすことも結構多いですね。今回も、その他の製品開発との兼ね合いもあったりして、そのアイデアが浮かんでから開発まではちょっと間を置いて寝かしていたんです。
しばらくしてから、この洗濯乾燥ができるレザーを開発したECCO LEATHER社から「こういうレザーが新しく出ました」とお知らせいただいて、そこで初めて点と点が繋がって。「シンプルなトートバッグ」と「洗えるレザー」を組み合わせたら良いものができそうだなとなり、製品化に向けて進行していきました。この素材自体、本当に最近開発されたばかりのものなんです。
伸太朗
なるほど。タイミングによって、今回のような面白い素材との巡り合わせもあるんですね。レザーも含め、新素材の開発も世界中で進んでいるようですし、今後もそういうキッカケで面白い製品ができそうで楽しみですね!
ファッション業界で活躍されているご兄弟ならではの感想や、製品の新しい楽しみ方が知れた座談会。後編では、お二人の持つファッション感などを交えながら、ブランドが伝えるべきことや、objcts.ioのものづくりについてお聞きしていきます。
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