MagWearシリーズに新たに加わった「ベビーサイズ」。objcts.ioのシグニチャーアイテムであるバックパックとカメラバッグを手のひらサイズにまで小さくしたベビーサイズ誕生の裏には、デザイナーである角森の「かわいい」への思いがありました 。

角森は”魅力的なバッグの条件”として、

ひと目見て直感的に「かわいい！」「綺麗...」「格好良い」と感じること

を、第一にあげています。

では、人はどんなときに「かわいい！」と感じるのか？「かわいい」の象徴的な存在である赤ちゃんを例にとって考えてみると、

ふっくら。

むちむち。

ツヤツヤ。

まるまる。

ちいさい。

といった特徴が思い浮かびます。

バッグのかわいさも、同様に考えることができます。全体的にふっくらと丸みを帯びており、不自然に凹んでいるところが無いフォルムは、人に「かわいい」という印象を与えます。

そしてなにより分かりやすいのは、”小さいものはかわいい”ということ。

トレンドのマイクロミニバッグをはじめ、通常製品のミニサイズに直感的に惹かれてしまうのは、その小ささが”かわいさ”を感じさせるからです。

しかし、通常製品のミニサイズをつくるには、ただ小さくすればいいというものではありません。サイズが小さくなる分、製品に詰め込める要素も限られるため、絶妙なバランス感覚が必要とされます。ときには、一からバッグを製作するのと同程度の手間がかかることもあるのです。

たとえば、シルエットをそのままにサイズを小さくする場合、革の厚みや芯材という素材のサイズも変更しなければなりません。もとの製品と同じ厚さやサイズで作ってしまうと、必要以上にハリが出てしまったり、重みが出たりして、もとのシルエットが再現できないことがあるからです。

また、型紙もただサイズを小さくすれば使えるわけではなく、製品のカーブや比率などを調整する必要があるため、いちから型紙を引き直さなければならないことも少なくありません。

小さいものはかわいい。これは誰しもに共通するシンプルな感覚だと言えるでしょう。しかしミニサイズの製作には、とても複雑で絶妙なバランス感覚が必要とされるのです。

objcts.ioでも、自分たちならではの「かわいい」を追求するために、まずは定番アイテムである『ソフトバックパック』と『ウィークエンドカメラバッグ』のミニサイズを実験的に製作してみることにしました。

特にバックパックは、その特徴でもあるふっくらしたシルエットを小さなサイズでも再現するため、革の厚みや芯材はもちろん、外側ポケットの上蓋のサイズまで微調整し、試作を繰り返しました。

その結果、もとの製品らしさを残しながらも、ミニサイズならではの「かわいさ」が感じられる製品が出来上がりました。さらに、サイズもこれまでのMagWearシリーズのアクセサリーと同様、iPhoneケースとセットで使ってもらいやすい大きさに。

他のMagWearアクセサリーと比べて、いちばん収納力があるサイズ感なので、ショルダー付きのマイクロミニバッグとしてバッグ単体でも使いやすい、新しい製品となりました。

こうして生まれたのが新シリーズの "ベビーサイズ"。

この小さくぽってりとしたフォルムに、もとの製品とはまた違った魅力を感じてもらえるはずです。