User Interview Vol.2 前編 ビジネスデザイナー 佐々木康裕
objcts.ioユーザーの方に、愛用の道具についてインタビューする企画。
第二弾でお話を聞くのは、デザイン・イノベーション・ファーム『Takram』でビジネスデザイナーとして活躍する傍らスローメディア『Lobsterr』も手掛ける佐々木康裕さん。
インタビューの前編では、objcts.ioのプロダクトを初期の頃から愛用されている佐々木さんに、Belt Bagについてお話を聞きました。
Text_Sana Tajika / Photo_Hanako Ueno
Edit_Aguri Kawashima
クリエイティブでいるためのバッグ
-Belt Bagはいつ頃から使用されているのでしょうか?
objcts.ioとの出会いについて聞かせてください。
ちょうど1年ほど使用しています。選択肢がたくさんあるレディースのバッグと比較して、メンズのバッグは選択肢が少なく、特に週末に使うバッグ選びに困っている方が多いのではないでしょうか。ポケットに荷物全部は入りきらないし、とはいえリュックを背負うのも大袈裟で…僕の必需品はノート、Kindle、充電器、ペン。それら全部が入るサイズものを探していましたが、しっくりくるデザインがなかなか見つからずにいたんですよね。ポケットに荷物全部は入りきらないし、とはいえリュックを背負うのも大袈裟で...。
そんな時に、以前から知り合いだったobjcts.ioの代表・沼田さんが素敵なバッグを身につけていらっしゃったので、どこのブランドか聞いてみたらobjcts.ioで。その後、日本橋のアトリエにお邪魔してプロダクトを一通り見せていただきました。ブランド全体の、無駄のないソリッドかつシンプルなムードが好きだったので、新しいプロダクトがリリースされたら都度チェックするようにしています。
-ベルトバッグはどんな時に使われていますか?
新型コロナウイルスによるパンデミック以降、家で仕事をするライフスタイルに切り替えました。そのぶん、散歩や自転車に乗る自由な時間も増えたのですが、基本的にはこのバッグといつも一緒です。ネットサーフィンばかりしていても情報量が多すぎて頭に入ってこないので、デジタルものと良い距離間を保ちつつ上手く付き合っていくために何も書いてない真っ白な紙に向かう時間も大切にしています。このバッグとその中身はまさにはそのお供。
-ベルトバッグにはどんなものを入れて使用していますか?
装飾が少なくてシンプルで、使い心地の気持ちよさがあるものを選びます。
・〈KAWEKO〉の万年筆
手書きのメッセージカードを送ることがあるので、 ボールペンよりも味のある文字が書ける万年筆を使っています。
・〈Moleskine〉のノート
ソフトカバーのタイプ。ロブスターのネタ帳にもなっています。ノートをネタ帳として使う時は、考えながら書くというよりは、考えるためにとりあえず何かしらを書いてみる、という感じで使っています。何を書いているかっていうのはあまり関係なくて、 紙の上で手を動かしていること自体が大事。後から読み返しても何書いてるかわかんないんですけどね。笑
-かなりバッグを使い込まれていますね。使い心地はいかがですか?
縫い目をできるだけ表に出さないようにデザインされているので、洗練されたアノニマスな印象で、サイズ感もちょうどいい。アウターの上からでもスマートに着脱できる、ミリタリーユースのコブラバックルも質感に重厚な感じがあって良いですね。服のデザインを邪魔しない形や薄さも気に入っています。
-ベルトバッグと合わせてスタイリングしたい服やブランドなどはありますか?
黒い服に白いスニーカーが長らく僕の定番なんですが、 最近奥渋谷エリアにできた「style department」というセレクトショップで〈kontor(コントール)〉というブランドの明るいグレーのジャケットを買ったんです。世の中のムードが少し変わったからでしょうか。黒以外の服が目に入ってきたんですよね。一見普通に見えるけど、細かなディティールやこだわりがある洋服が好きです。objcts.ioのプロダクトにも、それとどこか共通したものを感じます。
近日公開予定の後編では、佐々木さんの写真や文章などのクリエイティブにまつわるお話、またそれらがもたらす仕事におけるアウトプットの豊かさについてお伝えする予定です。
佐々木康裕 / Yasuhiro Sasaki
Takramディレクター/ビジネスデザイナー。デザイン思考や認知心理学、システム思考を組み合わせた領域横断的なアプローチでエクスペリエンス起点のクリエイティブ戦略、事業コンセプト立案を展開。
ベンチャーキャピタルMiraiseの投資家メンター、グロービス経営大学院の客員講師(デザイン経営)も務める。2019年3月、ビジネス×カルチャーのスローメディア「Lobsterr」をローンチ。
近著に「D2C 『世界観』と『テクノロジー』で勝つブランド戦略 」(NewsPicksパブリッシング)等。
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